2020年8月30日「つまずきを超えて」

○金 南錫牧師 マルコによる福音書14章27-31節

 本日の聖書箇所において、オリープ山に向かう途中で、イエス様は弟子たちに「あなたがたは皆わたしにつまずく」と言われました。イエス様はここで、イスカリオテのユダだけではなく、ほかの弟子たちも皆、イエス様を裏切る、つまずくことを予告されたのです。
 そして、「わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう」と、旧約聖書のゼカリア書13章7節の御言葉を引用して、その裏切りがあることを預言しています。ここで羊飼いは、イエス様のことであり、羊は弟子たちのことを指しています。つまり、父なる神は、良い羊飼いであるイエス様を十字架の死に追いやり、その時、従っていた弟子たちは皆バラバラ散ってしまうということです。
 しかし、一番弟子のペトロは、「たとえ、みんながつまずいても、わたしはつまずきません」と断言しました。イエス様は自信満々のペトロに対して、「はっきり言っておくが、あなたは、今日、今夜、鶏が二度鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」と言われます。
 それに対して、ペトロはますます、力を込めて「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言い張ります。でも、人はどんなに心で決心していても、やがてやってくる弱さを隠しきれませんでした。ペトロも例外ではありませんでした。
 ペトロは、大祭司の家の中庭で、「そんな人は知らない」と、再三言ってしまったのです。しかし、イエス様は今日の箇所において、つまずきや裏切りを予告しただけではなく、そのつまずきを乗り越える道をも、約束しています。
 「しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」(28節)。弟子たちにとって、ガリラヤはイエス様と出会った場所です。そこに復活のイエス様が再び行ってくださり、弟子たちを立ち直らせてくださるのです。
 そして、主イエスにつながって、信仰を持って歩むように導いてくださるのです。