2019年12月8日「小犬とパンくず」

○金 南錫牧師 マルコ7章24-30節

 汚れた霊に取りつかれた幼い娘を持つ母親がイエス様のことに聞き付けて、主の足もとにひれ伏しました。そして、娘から悪霊を追い出してくださいと叫びました。この母親は祈る母でした。
 この母親の叫びに対して、イエス様は「まず、子供たちに十分食べさせなければならない。子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない」と言われます(27節)。
 「子共たち」というのはユダヤ人のことです。「小犬」というのはユダヤ人以外の異邦人を意味しています。このとき、イエス様はユダヤ人の救いのみに向かっていますから、異邦人の女性が来ても、すぐ受け止めなかったのです。
 しかし、この母親は落胆しませんでした。彼女の信仰の素晴らしさは、イエス様の御言葉から諦めずに、「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます」と答えたことでありました。「パン屑」はキリストの福音のことです。
 この母親の訴えを聞いたイエス様は、「それほど言うなら、よろしい。家に帰りなさい」と言われ、家に帰ってみると、悪霊に取りつかれた娘の病気がいやされていました。