2019年12月29日「イエスの小さな旅立ち

○金 南錫牧師 マタイによる福音書2章13-23節

 幼子イエスはヨセフとマリアに連れられてエジプトに旅立ちました。そして、ヘロデが死ぬまでそこにいました。15節に「それは、『わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した』と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった」とあります。
 この「エジプトから私の子を呼び出した」とあるのは、旧約聖書ホセア書11章1節の引用の言葉です。ホセア書11章1節はこうあります。「まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。エジプトから彼を呼び出し、わが子とした」。
 ここで、「わが子」とはイエス様のことではなく、イスラエルの民のことです。幼子イエスがエジプトに逃れた出来事は、「それは、『わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した』と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった」と説明されています。
 幼子イエスがエジプトへ行き、そしてエジプトから戻る旅はホセア預言者によって預言された言葉の成就であった。つまり、幼子イエスがエジプトへ行き、エジプトから戻る旅は、旧約のイスラエルの民の旅の繰り返しです。幼子イエスがイスラエルの民の歩みをその幼子の身で体験されたのです。
 この一年の歩みを、私たちの過去をひっくるめて受け止めてくださる主イエスに委ねて、新しい年に向けて、小さな旅立ちをしようではありませんか。

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