2021年12月5日「ヤコブの逃亡」

○金 南錫牧師  創世記27章30-28章9節

 エサウはおいしい料理を作って、お父さんのところへ持って来ます。そして「わたしのお父さん。あなた自身の祝福をわたしに与えてください」と言いました(30節)。ところが、イサクから「お前は誰なのか」と言われてしまいます。そこでイサクは初めてヤコブに騙されたことに気付きました。しかしイサクは、ヤコブに与えた祝福を取り消そうとしませんでした。むしろ、神の介入に対して恐れおののいたイサクは激しく体を震わせて「…実は、お前が来る前にわたしはみんな食べて、彼を祝福してしまった。だから、彼が祝福されたものになっている」と言っています(33節)。ここでイサクは、神の選びというのは、神様がお決めになることをはっきりと知りました。

 一方で、祝福を奪われたエサウは激しく泣きました。「祝福はたった一つしかないのですか。わたしも、このわたしも祝福してください。わたしのお父さん」と叫んで、懇願しました(38節)。それでも、イサクはヤコブへの祝福を変えることはしませんでした。騙されたことをわかったエサウは怒り狂って、ヤコブを恨み、殺そうとしました。そのことを知った母リベカはヤコブの命を救うために、彼女の兄ラバンのところに逃れさせようとしました。ヤコブの逃亡の始まりです。