○金 南錫牧師 ヨハネによる福音書1章1ー5節
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」この冒頭の言葉は、不思議な言葉です。この言は、誰のことを言っているのでしょうか。1章14節を見ると、「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた」とあります。ここにあるように、初めにあった言とは、神の独り子イエスキリストのことです。ですから、1節をこう読み替えることができます。「初めに、イエス・キリストがあった。イエス・キリストは神と共にあった。イエス・キリストは神であった。」
「この言は、初めに神と共にあった。万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。」(2-3節)ここで「成った」とは、創造されたということです。ですから、これは言であり、初めに神と共にあったイエス・キリストによって、この世のすべてのものは造られたと、この福音書は語っているのです。
天地を創造なさった神は言をもって、私たちに語りかけてくださいます。そして、それが出来事となって、私たちを生き生きと生かしてくださいます。それが4節、5節「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった」という言葉です。
ここで最後に「暗闇は光を理解しなかった」とあります。これは「闇は光に勝たなかった」とも訳すことができます。実は、このヨハネによる福音書が書かれた時代、イエス様を救い主として信じる者は、ユダヤの会堂から追放されてしまったり、ローマ帝国による大きな迫害を受けている時代でした。そういう時代状況の中で、著者ヨハネは、光の主が今この時も私たちと一緒にいてくださるじゃないか、そういうふうに呼びかけているのです。ですから、ここは「暗闇は光に勝たなかった」と訳した方が良いのではないでしょうか。

