2026年10月の主日聖書日課から

10月4日
○出エジプト記32章7-14節
 主はモーセに仰せになった。「直ちに下山せよ。あなたがエジプトの国から導き上った民は堕落し、早くもわたしが命じた道からそれて、若い雄牛の鋳像を造り、それにひれ伏し、いけにえをささげて、『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ』と叫んでいる。」主は更に、モーセに言われた。「わたしはこの民を見てきたが、実にかたくなな民である。今は、わたしを引き止めるな。わたしの怒りは彼らに対して燃え上がっている。わたしは彼らを滅ぼし尽くし、あなたを大いなる民とする。」モーセは主なる神をなだめて言った。「主よ、どうして御自分の民に向かって怒りを燃やされるのですか。あなたが大いなる御力と強い御手をもってエジプトの国から導き出された民ではありませんか。どうしてエジプト人に、『あの神は、悪意をもって彼らを山で殺し、地上から滅ぼし尽くすために導き出した』と言わせてよいでしょうか。どうか、燃える怒りをやめ、御自分の民にくだす災いを思い直してください。どうか、あなたの僕であるアブラハム、イサク、イスラエルを思い起こしてください。あなたは彼らに自ら誓って、『わたしはあなたたちの子孫を天の星のように増やし、わたしが与えると約束したこの土地をことごとくあなたたちの子孫に授け、永久にそれを継がせる』と言われたではありませんか。」主は御自身の民にくだす、と告げられた災いを思い直された。

○マルコによる福音書14章43-52節
 さて、イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダが進み寄って来た。祭司長、律法学者、長老たちの遣わした群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。捕まえて、逃がさないように連れて行け」と、前もって合図を決めていた。ユダはやって来るとすぐに、イエスに近寄り、「先生」と言って接吻した。人々は、イエスに手をかけて捕らえた。居合わせた人々のうちのある者が、剣を抜いて大祭司の手下に打ってかかり、片方の耳を切り落とした。そこで、イエスは彼らに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいて教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。しかし、これは聖書の言葉が実現するためである。」弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。
 一人の若者が、素肌に亜麻布をまとってイエスについて来ていた。人々が捕らえようとすると、亜麻布を捨てて裸で逃げてしまった。

10月11日
○ダニエル書3章13-26節
 これを聞いたネブカドネツァル王は怒りに燃え、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを連れて来るよう命じ、この三人は王の前に引き出された。王は彼らに言った。
 「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。今、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器の音楽が聞こえると同時にひれ伏し、わたしの建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでよい。もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」
 シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはネブカドネツァル王に答えた。
 「このお定めにつきまして、お答えする必要はございません。わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。そうでなくとも、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」
 ネブカドネツァル王はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴに対して血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じた。そして兵士の中でも特に強い者に命じて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを縛り上げ、燃え盛る炉に投げ込ませた。彼らは上着、下着、帽子、その他の衣服を着けたまま縛られ、燃え盛る炉に投げ込まれた。王の命令は厳しく、炉は激しく燃え上がっていたので、噴き出る炎はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴを引いて行った男たちをさえ焼き殺した。シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三人は縛られたまま燃え盛る炉の中に落ち込んで行った。
 間もなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり、側近たちに尋ねた。
 「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。」
 彼らは答えた。
 「王様、そのとおりでございます。」
 王は言った。
 「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」
 ネブカドネツァル王は燃え盛る炉の口に近づいて呼びかけた。
 「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、いと高き神に仕える人々よ、出て来なさい。」すると、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴは炉の中から出て来た。

○マルコによる福音書14章53-65節
 人々は、イエスを大祭司のところへ連れて行った。祭司長、長老、律法学者たちが皆、集まって来た。ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで入って、下役たちと一緒に座って、火にあたっていた。祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にするためイエスにとって不利な証言を求めたが、得られなかった。多くの者がイエスに不利な偽証をしたが、その証言は食い違っていたからである。すると、数人の者が立ち上がって、イエスに不利な偽証をした。「この男が、『わたしは人間の手で造ったこの神殿を打ち倒し、三日あれば、手で造らない別の神殿を建ててみせる』と言うのを、わたしたちは聞きました。」しかし、この場合も、彼らの証言は食い違った。そこで、大祭司は立ち上がり、真ん中に進み出て、イエスに尋ねた。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」しかし、イエスは黙り続け何もお答えにならなかった。そこで、重ねて大祭司は尋ね、「お前はほむべき方の子、メシアなのか」と言った。イエスは言われた。
「そうです。
 あなたたちは、人の子が全能の神の右に座り、
 天の雲に囲まれて来るのを見る。」
 大祭司は、衣を引き裂きながら言った。「これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は冒瀆の言葉を聞いた。どう考えるか。」一同は、死刑にすべきだと決議した。それから、ある者はイエスに唾を吐きかけ、目隠しをしてこぶしで殴りつけ、「言い当ててみろ」と言い始めた。また、下役たちは、イエスを平手で打った。

10月18日
○イザヤ書25章1-9節
 主よ、あなたはわたしの神
 わたしはあなたをあがめ
 御名に感謝をささげます。あなたは驚くべき計画を成就された
 遠い昔からの揺るぎない真実をもって。
 あなたは都を石塚とし
 城壁のある町を瓦礫の山とし
 異邦人の館を都から取り去られた。
 永久に都が建て直されることはないであろう。
 それゆえ、強い民もあなたを敬い
 暴虐な国々の都でも人々はあなたを恐れる。
 まことに、あなたは弱い者の砦
 苦難に遭う貧しい者の砦
 豪雨を逃れる避け所
   暑さを避ける陰となられる。
 暴虐な者の勢いは壁をたたく豪雨
 乾ききった地の暑さのようだ。
 あなたは雲の陰が暑さを和らげるように
 異邦人の騒ぎを鎮め
 暴虐な者たちの歌声を低くされる。
 万軍の主はこの山で祝宴を開き
 すべての民に良い肉と古い酒を供される。
 それは脂肪に富む良い肉とえり抜きの酒。
 主はこの山で
 すべての民の顔を包んでいた布と
 すべての国を覆っていた布を滅ぼし
 死を永久に滅ぼしてくださる。
 主なる神は、すべての顔から涙をぬぐい
 御自分の民の恥を
   地上からぬぐい去ってくださる。
 これは主が語られたことである。
 その日には、人は言う。
 見よ、この方こそわたしたちの神。
 わたしたちは待ち望んでいた。
 この方がわたしたちを救ってくださる。
 この方こそわたしたちが待ち望んでいた主。
 その救いを祝って喜び躍ろう。

○マタイによる福音書5章1-12節
 イエスはこの群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。そこで、イエスは口を開き、教えられた。
 「心の貧しい人々は、幸いである、
   天の国はその人たちのものである。
 悲しむ人々は、幸いである、
   その人たちは慰められる。
 柔和な人々は、幸いである、
   その人たちは地を受け継ぐ。
 義に飢え渇く人々は、幸いである、
   その人たちは満たされる。
 憐れみ深い人々は、幸いである、
   その人たちは憐れみを受ける。
 心の清い人々は、幸いである、
   その人たちは神を見る。
 平和を実現する人々は、幸いである、
   その人たちは神の子と呼ばれる。
 義のために迫害される人々は、幸いである、
   天の国はその人たちのものである。
 わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。」

10月25日
○ヨブ記38章1-18節
 主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。
 これは何者か。
 知識もないのに、言葉を重ねて
 神の経綸を暗くするとは。
 男らしく、腰に帯をせよ。
 わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ。
 わたしが大地を据えたとき
   お前はどこにいたのか。
 知っていたというなら
   理解していることを言ってみよ。
 誰がその広がりを定めたかを知っているのか。
 誰がその上に測り縄を張ったのか。
 基の柱はどこに沈められたのか。
 誰が隅の親石を置いたのか。
 そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い
   神の子らは皆、喜びの声をあげた。
 海は二つの扉を押し開いてほとばしり
   母の胎から溢れ出た。
 わたしは密雲をその着物とし
   濃霧をその産着としてまとわせた。
 しかし、わたしはそれに限界を定め
   二つの扉にかんぬきを付け
 「ここまでは来てもよいが越えてはならない。
 高ぶる波をここでとどめよ」と命じた。

 お前は一生に一度でも朝に命令し
 曙に役割を指示したことがあるか
 大地の縁をつかんで
 神に逆らう者どもを地上から払い落とせと。
 大地は粘土に型を押していくように姿を変え
 すべては装われて現れる。
 しかし、悪者どもにはその光も拒まれ
 振り上げた腕は折られる。

 お前は海の湧き出るところまで行き着き
 深淵の底を行き巡ったことがあるか。
 死の門がお前に姿を見せ
 死の闇の門を見たことがあるか。
 お前はまた、大地の広がりを
   隅々まで調べたことがあるか。
 そのすべてを知っているなら言ってみよ。

○ルカによる福音書12章13-31節
 群衆の一人が言った。「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」
 それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりもどれほど価値があることか。あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか。野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。

出所:聖書日課編集委員会編集「日毎の糧2026」(日本キリスト教団出版局、2025年12月19日発行)より作成