9月6日
○列王記上21章1-16節
これらの出来事の後のことである。イズレエルの人ナボトは、イズレエルにぶどう畑を持っていた。畑はサマリアの王アハブの宮殿のそばにあった。アハブはナボトに話を持ちかけた。「お前のぶどう畑を譲ってくれ。わたしの宮殿のすぐ隣にあるので、それをわたしの菜園にしたい。その代わり、お前にはもっと良いぶどう畑を与えよう。もし望むなら、それに相当する代金を銀で支払ってもよい。」ナボトはアハブに、「先祖から伝わる嗣業の土地を譲ることなど、主にかけてわたしにはできません」と言った。アハブは、イズレエルの人ナボトが、「先祖から伝わる嗣業の土地を譲ることはできない」と言ったその言葉に機嫌を損ね、腹を立てて宮殿に帰って行った。寝台に横たわった彼は顔を背け、食事も取らなかった。妻のイゼベルが来て、「どうしてそんなに御機嫌が悪く、食事もなさらないのですか」と尋ねると、彼は妻に語った。「イズレエルの人ナボトに、彼のぶどう畑をわたしに銀で買い取らせるか、あるいは望むなら代わりの畑と取り替えさせるか、いずれにしても譲ってくれと申し入れたが、畑は譲れないと言うのだ。」妻のイゼベルは王に言った。「今イスラエルを支配しているのはあなたです。起きて食事をし、元気を出してください。わたしがイズレエルの人ナボトのぶどう畑を手に入れてあげましょう。」
イゼベルはアハブの名で手紙を書き、アハブの印を押して封をし、その手紙をナボトのいる町に住む長老と貴族に送った。その手紙にはこう書かれていた。「断食を布告し、ナボトを民の最前列に座らせよ。ならず者を二人彼に向かって座らせ、ナボトが神と王とを呪った、と証言させよ。こうしてナボトを引き出し、石で打ち殺せ。」その町の人々、その町に住む長老と貴族たちはイゼベルが命じたとおり、すなわち彼女が手紙で彼らに書き送ったとおりに行った。彼らは断食を布告し、ナボトを民の最前列に座らせた。ならず者も二人来てナボトに向かって座った。ならず者たちは民の前でナボトに対して証言し、「ナボトは神と王とを呪った」と言った。人々は彼を町の外に引き出し、石で打ち殺した。彼らはイゼベルに使いを送って、ナボトが石で打ち殺されたと伝えた。イゼベルはナボトが石で打ち殺されたと聞くと、アハブに言った。「イズレエルの人ナボトが、銀と引き換えにあなたに譲るのを拒んだあのぶどう畑を、直ちに自分のものにしてください。ナボトはもう生きていません。死んだのです。」アハブはナボトが死んだと聞くと、直ちにイズレエルの人ナボトのぶどう畑を自分のものにしようと下って行った。
○マルコによる福音書12章35-44節
イエスは神殿の境内で教えていたとき、こう言われた。「どうして律法学者たちは、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。ダビデ自身が聖霊を受けて言っている。
『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵を
あなたの足もとに屈服させるときまで」と。』
このようにダビデ自身がメシアを主と呼んでいるのに、どうしてメシアがダビデの子なのか。」大勢の群衆は、イエスの教えに喜んで耳を傾けた。
イエスは教えの中でこう言われた。「律法学者に気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で挨拶されること、会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、また、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」
イエスは賽銭箱の向かいに座って、群衆がそれに金を入れる様子を見ておられた。大勢の金持ちがたくさん入れていた。ところが、一人の貧しいやもめが来て、レプトン銅貨二枚、すなわち一クァドランスを入れた。イエスは、弟子たちを呼び寄せて言われた。「はっきり言っておく。この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた。皆は有り余る中から入れたが、この人は、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れたからである。」
9月13日
○申命記15章1-11節
七年目ごとに負債を免除しなさい。負債免除のしかたは次のとおりである。
だれでも隣人に貸した者は皆、負債を免除しなければならない。同胞である隣人から取り立ててはならない。主が負債の免除の布告をされたからである。外国人からは取り立ててもよいが、同胞である場合は負債を免除しなければならない。
あなたの神、主は、あなたに嗣業として与える土地において、必ずあなたを祝福されるから、貧しい者はいなくなるが、そのために、あなたはあなたの神、主の御声に必ず聞き従い、今日あなたに命じるこの戒めをすべて忠実に守りなさい。あなたに告げたとおり、あなたの神、主はあなたを祝福されるから、多くの国民に貸すようになるが、借りることはないであろう。多くの国民を支配するようになるが、支配されることはないであろう。
あなたの神、主が与えられる土地で、どこかの町に貧しい同胞が一人でもいるならば、その貧しい同胞に対して心をかたくなにせず、手を閉ざすことなく、彼に手を大きく開いて、必要とするものを十分に貸し与えなさい。「七年目の負債免除の年が近づいた」と、よこしまな考えを持って、貧しい同胞を見捨て、物を断ることのないように注意しなさい。その同胞があなたを主に訴えるならば、あなたは罪に問われよう。10:申命記/ 15章 10節
彼に必ず与えなさい。また与えるとき、心に未練があってはならない。このことのために、あなたの神、主はあなたの手の働きすべてを祝福してくださる。この国から貧しい者がいなくなることはないであろう。それゆえ、わたしはあなたに命じる。この国に住む同胞のうち、生活に苦しむ貧しい者に手を大きく開きなさい。
○マルコによる福音書14章1-9節
さて、過越祭と除酵祭の二日前になった。祭司長たちや律法学者たちは、なんとか計略を用いてイエスを捕らえて殺そうと考えていた。彼らは、「民衆が騒ぎだすといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。
イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家にいて、食事の席に着いておられたとき、一人の女が、純粋で非常に高価なナルドの香油の入った石膏の壺を持って来て、それを壊し、香油をイエスの頭に注ぎかけた。そこにいた人の何人かが、憤慨して互いに言った。「なぜ、こんなに香油を無駄遣いしたのか。この香油は三百デナリオン以上に売って、貧しい人々に施すことができたのに。」そして、彼女を厳しくとがめた。イエスは言われた。「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。
貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときに良いことをしてやれる。しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」
9月20日
○出エジプト記12章21-27節
モーセは、イスラエルの長老をすべて呼び寄せ、彼らに命じた。
「さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。そして、一束のヒソプを取り、鉢の中の血に浸し、鴨居と入り口の二本の柱に鉢の中の血を塗りなさい。翌朝までだれも家の入り口から出てはならない。主がエジプト人を撃つために巡るとき、鴨居と二本の柱に塗られた血を御覧になって、その入り口を過ぎ越される。滅ぼす者が家に入って、あなたたちを撃つことがないためである。
あなたたちはこのことを、あなたと子孫のための定めとして、永遠に守らねばならない。また、主が約束されたとおりあなたたちに与えられる土地に入ったとき、この儀式を守らねばならない。また、あなたたちの子供が、『この儀式にはどういう意味があるのですか』と尋ねるときは、こう答えなさい。『これが主の過越の犠牲である。主がエジプト人を撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越し、我々の家を救われたのである』と。」
民はひれ伏して礼拝した。
○マルコによる福音書14章10-25節
十二人の一人イスカリオテのユダは、イエスを引き渡そうとして、祭司長たちのところへ出かけて行った。彼らはそれを聞いて喜び、金を与える約束をした。そこでユダは、どうすれば折よくイエスを引き渡せるかとねらっていた。
除酵祭の第一日、すなわち過越の小羊を屠る日、弟子たちがイエスに、「過越の食事をなさるのに、どこへ行って用意いたしましょうか」と言った。そこで、イエスは次のように言って、二人の弟子を使いに出された。「都へ行きなさい。すると、水がめを運んでいる男に出会う。その人について行きなさい。その人が入って行く家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をするわたしの部屋はどこか」と言っています。』すると、席が整って用意のできた二階の広間を見せてくれるから、そこにわたしたちのために準備をしておきなさい。」弟子たちは出かけて都に行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。夕方になると、イエスは十二人と一緒にそこへ行かれた。一同が席に着いて食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人で、わたしと一緒に食事をしている者が、わたしを裏切ろうとしている。」弟子たちは心を痛めて、「まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。イエスは言われた。「十二人のうちの一人で、わたしと一緒に鉢に食べ物を浸している者がそれだ。人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。
」一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしの体である。」また、杯を取り、感謝の祈りを唱えて、彼らにお渡しになった。彼らは皆その杯から飲んだ。そして、イエスは言われた。「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。はっきり言っておく。神の国で新たに飲むその日まで、ぶどうの実から作ったものを飲むことはもう決してあるまい。」
9月27日
○創世記32章23-33節
『あなたさまの僕ヤコブも後から参ります』と言いなさい。」ヤコブは、贈り物を先に行かせて兄をなだめ、その後で顔を合わせれば、恐らく快く迎えてくれるだろうと思ったのである。こうして、贈り物を先に行かせ、ヤコブ自身は、その夜、野営地にとどまった。その夜、ヤコブは起きて、二人の妻と二人の側女、それに十一人の子供を連れてヤボクの渡しを渡った。皆を導いて川を渡らせ、持ち物も渡してしまうと、ヤコブは独り後に残った。そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」「お前の名は何というのか」とその人が尋ね、「ヤコブです」と答えると、その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ。」「どうか、あなたのお名前を教えてください」とヤコブが尋ねると、「どうして、わたしの名を尋ねるのか」と言って、ヤコブをその場で祝福した。ヤコブは、「わたしは顔と顔とを合わせて神を見たのに、なお生きている」と言って、その場所をペヌエル(神の顔)と名付けた。
ヤコブがペヌエルを過ぎたとき、太陽は彼の上に昇った。ヤコブは腿を痛めて足を引きずっていた。こういうわけで、イスラエルの人々は今でも腿の関節の上にある腰の筋を食べない。かの人がヤコブの腿の関節、つまり腰の筋のところを打ったからである。
○マルコによる福音書14章26-42節
一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。
イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたは皆わたしにつまずく。
『わたしは羊飼いを打つ。
すると、羊は散ってしまう』
と書いてあるからだ。しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」するとペトロが、「たとえ、みんながつまずいても、わたしはつまずきません」と言った。イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたは、今日、今夜、鶏が二度鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」ペトロは力を込めて言い張った。「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません。」皆の者も同じように言った。
一同がゲツセマネという所に来ると、イエスは弟子たちに、「わたしが祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。そして、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを伴われたが、イエスはひどく恐れてもだえ始め、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、目を覚ましていなさい。」少し進んで行って地面にひれ伏し、できることなら、この苦しみの時が自分から過ぎ去るようにと祈り、こう言われた。「アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように。」それから、戻って御覧になると、弟子たちは眠っていたので、ペトロに言われた。「シモン、眠っているのか。わずか一時も目を覚ましていられなかったのか。誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」更に、向こうへ行って、同じ言葉で祈られた。再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。彼らは、イエスにどう言えばよいのか、分からなかった。イエスは三度目に戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。もうこれでいい。時が来た。人の子は罪人たちの手に引き渡される。立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」
出所:聖書日課編集委員会編集「日毎の糧2026」(日本キリスト教団出版局、2025年12月19日発行)より作成
