2025年3月2日「御子の内にとどまりなさい」

○金 南錫牧師 ヨハネの手紙一2章18ー27節

「子供たちよ、終わりの時が来ています。」ヨハネはこの手紙を受け取る教会の人たちに向けて、「子供たちよ」と親しみをこめて語りかけています。また、「終わりの時」と聞くと、「世の終わり」のことを思うのかも知れませんが、聖書は、御子イエスが人となって、この世に生まれたクリスマスの時から、すでに終わりの時が始まっていると教えています。

「反キリストが来ると、あなたがたがかねて聞いていたとおり、今や多くの反キリストが現れています。これによって、終わりの時が来ていると分かります。」ここに「反キリスト」という言葉が出て来ます。これは、キリストに反するものという意味があります。22節に「偽り者とは、イエスがメシアであることを否定する者でなくて、だれでありましょう。御父と御子を認めない者、これこそ反キリストです」とあるように、イエスはキリストではない、神ではないと主張する人たちのことを、「反キリスト」と言っています。特に当時、教会に悪い影響を与えていたグノーシスと呼ばれる、神が人となられたことを否定する人たちのことです。「終わりの時」にはそうした「反キリスト」が現れるというのです。

「初めから聞いていたことを、心にとどめなさい。」(24節)「初めから聞いていた」それは、イエス様のご生涯のことです。それを心にとどめなさい。イエス様がこの世に来てくださって、私のために十字架で死に、復活なさった、それが私の内にいつもあるならば、もうあなたがたの永遠の命は始まっていると、ヨハネはいうのです。