2025年1月12日「喜び、祈り、神の平和」

○金 南錫牧師 フィリピの信徒への手紙4章1ー9節

パウロはフィリピの信徒たちに「わたしが愛し、慕っている兄弟たち、わたしの喜びであり、冠である愛する人たち」と呼び掛けています。また、パウロがそんな彼らに「このように主によってしっかりと立ちなさい」と勧めています。信仰にしっかり立って、どんなことがあっても、動揺をしないように、ということです。「あなたがたの広い心がすべての人に知られるようにしなさい。主はすぐ近くにおられます。」(5節) ここでの「あなたがた」とは、フィリピの信徒たちを指しています。パウロは、世のすべての人ではなく、主イエスを信じる信徒たちに対して、広い心を求めているのです。なぜなら、この広い心(寛容)は、キリスト者たちが聖霊によっていただく九つの賜物の一つであるからです(ガラ5:23-24)。しかし、実際には広い心を示すのがなかなか難しいことだと思います。自分のことを理解してくれる人たちに対しては、広い心を示すのかもしれません。しかし、パウロは「すべての人に」と言っています。どんな人に対しても、自分に反対する人に対しても、です。では、どうすればすべての人に広い心を示すことができるのでしょうか。パウロが「あなたがたの広い心がすべての人に知られるようにしなさい」と勧める前に、先に「主において常に喜びなさい」と言いました(4節)。つまり、広い心は自分の力でできるものではなく、心の中に真の喜びがあるときにできることだと思います。「主において」とは「主の中に」ということです。主の中にいる時に、人は本当の喜びに満たされます。そして、その主が与えてくださる喜びがあるとき、すべての人に広い心を示すことができるのです。