2024年6月30日「沈黙するイエス」

○金 南錫牧師 ルカによる福音書23章1-12節

当時のユダヤはローマ帝国の支配下にあって、自分たちの裁判で死刑を決定しても、ローマが有罪を認めなければ、執行できませんでした。そこで最高法院の全会衆は、ユダヤ総督であるピラトに訴える必要がありました。彼らはイエスをこう訴え始めました。「この男は我が民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また自分が王たるメシアだと言っております。」

これを受けて、ピラトはイエスを尋問します。「お前がユダヤ人の王なのか。」それに対して、イエス様は「それは、あなたが言っていることです」とお答えになりました。イエス様は肯定も否定もしないのです。この時、イエス様は人間の言葉を耐え忍び、ご自分の口を閉ざされ、父なる神様に心を向けておられました。そして、神様がなそうとしておられる御心を見つめて、十字架への道を歩んでおられたのです。私たちの罪の赦し、救いの御業は、イエス様がこのように沈黙して耐え忍び、実現してくださったものなのです。