2022年5月1日「ヨセフの試し」

○金 南錫牧師   創世記42章1-28節

 飢饉がカナンの地にまで及びました。ヤコブはベニヤミンだけを残して、十人の息子たちを呼んで、エジプトに穀物を買いに行くように命じます。エジプトに着いた兄たちはヨセフと知らずに、彼の前にひれ伏し拝みます。ヨセフは一目で、自分の兄たちだと気づきましたが、そしらぬふりをして厳しい口調で、「お前たちは、どこか来たのか」と問いかけます(7節)。また、「お前たちは回し者だ」と言って、兄たちが試そうとしているのです。それは、22年前に、自分を穴に投げ入れて、通りかかった商人たちに売り飛ばしたことを、兄たちはどう思っているのか、そのことを知りたかったのです。兄たちは「ああ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった」と互いに心の思いを打ち明けます(21節)。この言葉には、過去の罪を思い返して、ヨセフに悪いことをしたという後悔の思いが示されています。罪を悔いている兄たちの姿を見て、ヨセフは感動して、その場を離れて、一人で泣いたのです(22節)。