2022年5月8日「ヤコブの決意」

○金 南錫牧師   創世記42章29-43章15節

 43章1節に「この地方の飢饉はひどくなる一方であった」とあります。カナン地方にひどい飢饉が続いて、やがてエジプトから買って来た穀物は食べ尽くされてしまいました。困り果てたヤコブは息子たちを呼んで「もう一度エジプトに行って、食糧を買って来なさい」と頼みます。しかし、ユダは「もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません」と答えました。なぜなら、あの人、ヨセフが、「弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることが許さぬ」と厳しく言い渡したからです。

 それでもヤコブの心はなかなか動きません。しかし、ユダは「あの子をぜひわたしと一緒に行かせてください。それなら、すぐにでも行って参ります。そうすれば、我々も、あなたも、子供たちも死なずに生き延びることができます。あの子のことはわたしが保障します」と言いました。もし、弟ベニヤミンを連れて帰らなかったら、自分がその責任をすべて負うとまで言うのです。このユダの説得によって、ついにヤコブはベニヤミンを行かせることを決心します。なお、祈りの中で全能の神に、シメオンとベニヤミンを返してくださると願って、すべてを委ねます(14節)。後に二人とも取り戻すことになります。