2020年11月1日「主と共にある人生」

○金 南錫牧師 詩編23編1-6節

 詩編23編はユダヤ教の人々も、クリスチャンたちにも何千年にもわたって愛唱されてきた聖書の御言葉です。この詩の冒頭に「賛歌、ダビデの詩」と書いてあります。
 この詩編の作者は、イスラエルの二代目の王様であるダビデという人です。ダビデは少年の頃、お父さんの手伝いをして羊の世話をしていた経験がありました。その経験を通して、羊飼いと羊の関係はまさに、神様と自分との関係に通じるところがあると見たのです。
 羊は、とても迷いやすい動物だそうです。ですから、羊飼いは羊の群れの先頭に立って羊を導く必要があります。この詩編が書かれたパレスチナでは、水や草が非常に少ない地域です。ですから、羊飼いが草のあるところや、水のあるところに羊を連れて行かないと、羊は生きることができませんでした。
 そうした羊の姿を、弱さを抱えた人々が自分自身と重ね合わせて読まれたので、この詩編が長い間にわたって愛唱されて来たのでしょう。
 この詩編はおそらくダビデが晩年になって書いただろうと言われます。それは、主なる神が羊飼い、牧者になってくださったときに、「何も欠けることがない」(1節)、「わたしの杯を溢れさせてくださる」(5節)と告白しているからです。