報告 佐倉教会の里親活動

○ぶどうの枝第55号(2021年12月31日発行)に掲載(執筆者:TI)

 佐倉教会では、一九八八年十月にチャイルド・ファンド・ジャパンの支援活動に参加し、以後三十三年余にわたってフィリピンの子どもたちのスポンサー(里親)を続けています。
 チャイルド・ファンド・ジャパンについて、紹介します。
 同団体のホームページによれば、始まりは一九四八年、アメリカの民間団体であるキリスト教児童基金(CCF)が日本の児童養護施設で生活する戦災孤児たちへの支援を開始したことでした。CCFからの支援を届けるために、日本事務所として社会福祉法人キリスト教児童福祉会(CCWA)が設立され、アメリカ・カナダの人々からの支援を受けました。
 大きな転機は一九七四年でした。日本の子どもたちを取り巻く環境は大きく改善され、一方でフィリピンやタイなどのアジア諸国における圧倒的な貧困を目の当たりにして、CCWAは、CCFからの支援を辞退し、日本がアジアの貧しい子どもたちを支援する、「順送りの恩返し」をすることを決定しました。
 一九七五年、当時東南アジアの中でも特に厳しい貧困状況にあったフィリピンが支援の対象に選ばれ、六十七名の子どもたちへの送金が開始されました。最初の五年間で五百名を超える方々がスポンサー(里親)となりました。
 その後、二〇〇六年にスリランカ、二〇一〇年にネパールを支援先に追加し、スポンサーシップ・プログラム(「里親的」支援)の対象は三か国となっています。
 同団体の二〇二〇年度年次報告によれば、支援者は、スポンサー三千三百八十六人、マンスリー・サポーター五百四人、プロジェクト・サポーター一千三百五十人など。支援チャイルドの数は、フィリピン三千六百二十七人、ネパール五百三十一人、スリランカ三百一人の計四千四百五十九人となっています。現在、佐倉教会は、スポンサーとして一人のチャイルドの支援を行っています。
 佐倉教会が参加している「スポンサーシップ・プログラム」は、一対一で一人の子どもとつながり、成長を支え見守る支援です。手紙での交流や成長記録(年に一度届きます)などを通じて成長を見守ります。月々四千円(一日百三十円)の支援で、小学校に通いながらも家庭の貧しさのゆえに卒業ができないなど、支援を必要としている子どもたちを支えます。
 これまでに佐倉教会がスポンサーとして支援してきた子どもたちは十一名です(資料一参照)。
 現在、支援しているチャイルドは、プリンセス・カイラ・ミメイさん、フィリピンの十四歳の少女です。二〇二〇年の成長記録では小学校を卒業、家での復習を継続。教理問答を学び、家では弟、妹に福音を伝えているとあります。彼女の夢は、将来子どもたちの読み書きを助ける教師になることです。
 佐倉教会では、主日礼拝の際、受付にチャイルド・ファンド・ジャパン募金箱を置き、その献金をもってスポンサー寄付金(年間四万八千円)やその他の寄付金などを賄うこととしています(近年における献金額は資料二参照)。
 佐倉教会としてフィリピンの子どもたちの「里親的」支援を続けていくため、引き続き皆様のご協力をお願いいたします。

プリンセス・カイラ・ミメイさん