随想 「百二十年前の讃美歌」

○ぶどうの枝第63号(2026年6月28日発行)に掲載(執筆者:MK)

 『佐倉教会百二十年史』の編纂に関わって、佐倉教会が出来たころの礼拝ではどんな讃美歌が歌われていたのか知りたくなりました。直接の記録はないのですが、その頃の讃美歌集は分かります。『讃美歌 第一編』(讃美歌委員会編、警醒社、一九〇三年)は、プロテスタントの諸会派(組合教会、日本基督教会、メソヂスト教会、浸礼教会、基督教会)が合同で編集したもので、現在私たちが使っている讃美歌集の元となったものと思われます。佐倉教会の創立は一九〇四年ですから、前年にできたばかり。佐倉教会でも使われた可能性が高いと思います。
 この本は、「国会図書館デジタルコレクション」で誰でも見ることができます。アップされているのは、初版ではなく一九一五年の「第十版」ですが、内容はほぼ同じでしょう。収録されているのは四八三曲。歌い出しの目次を手がかりに、『讃美歌21』と共通の曲を探した所、歌詞が変わったものもあり、見落としもあろうかと思いますが、とりあえず以下の十二曲を見つけることができました。
 一七五「わが心は」(マリアの賛歌)
 二六一「もろびとこぞりて」
 二六八「朝日は昇りて」
 二九九「うつりゆく世にも」
 三四三「聖霊よ、降りて」
 三五一「聖なる聖なる」
 四〇四「あまつましみず」
 四五九「飼い主わが主よ」
 四六三「わが行く道」
 四六五「神ともにいまして」
 四七五「あめなるよろこび」
 四九三「いつくしみ深い」
 さすがに、歌い継がれたよく耳にする曲が多いですね。ただ、当時もそうだった訳ではなくて、十九世紀後半くらいに作られた、つまり当時としては新しい歌が多いです。一七五番や四〇四番は、日本で作られたものです。当時の教会の清新な雰囲気も想うべきでしょう。
 第三日曜日礼拝後の「虹の会(信徒懇話会)」では、最初に讃美歌を一つ歌いますが、特にリクエストがない時は、この「百二十年前の佐倉教会で歌われていたかもしれない讃美歌」を選んでいます。機会があれば、創立当初の教会をしのんで、ご一緒に歌いましょう。