2024年7月7日「十字架につけろ」

○金 南錫牧師 ルカによる福音書23章13-25節

ピラトはユダヤの祭司長たちや議員たち、そして民衆に、イエスは「死刑に当たるようなことは何もしていない」という結論を告げ、「だから、鞭で懲らしめて釈放しよう」と言いました。ピラトは、イエス様がユダヤの指導者たちの妬みによって、ここに連れて来られていることを見抜いていました。そして、鞭で打って、懲らしめるから、それであなたたちは満足しなさいと言っているのです。

「しかし、人々は一斉に、『その男を殺せ。バラバを釈放しろ』と叫んだ」(18節)。当時、ユダヤには、お祭りの時に、一人の囚人を恩赦する習わしがありました。なので、人々は「バラバを釈放しろ」と言っているわけです。暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバは、イエス様と違って、罪状もはっきりしており、死刑にされても誰も文句を言わない人物でした。しかし、人々はイエスではなく「バラバを釈放しろ」と叫んでいるのです。そのように叫んだ人々は、誰のことでしょうか。ユダヤの指導者たちや民衆です。彼らの「十字架につけろ」という声はますます強くなって、結局ピラトも、イエスを十字架に付ける決定を下してしまうのです。