2021年6月20日「アブラムの旅立ち」

○金 南錫牧師 創世記12章1-9節

  アブラムの故郷はウルという町で、月の女神などを拝む偶像の町でした。ある時、父テラが家族と共にウルを離れ、カナンの地に向かって出発しました。しかし、高齢の父に代わって一族を統率したのは息子のアブラムでした。使徒言行録7章2節、3節に、アブラムについて、こう書いてあります。「わたしたちの父アブラハムがメソポタミアにいて、まだハランに住んでいなかったとき、栄光の神が現れ、『あなたの土地と親族を離れ、わたしが示す土地に行け』と言われました」。このように神様は、偶像に満ちた町ウルで人生を送っていたアブラムに呼びかけ、「わたしが示す土地に行け」とお命じになりました。アブラムは神からの召しを受けたのです。ところが、父テラが途中のハランまで来て、その地で亡くなります。その時、神様がもう一度、アブラムに現れて言われました。それが、創世記12章1節から3節です。

  1節に「主はアブラムに言われた。あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい」とあります。アブラムはもう一度、神からの召しを受けたのです。故郷のウルで「わたしが示す土地に行け」と語られた同じ言葉がまた、このハランで語られています。

 では、なぜ神様は繰り返してアブラムを呼び続けるのでしょうか。それは、神様がアブラムを祝福するためです。「わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。祝福の源となるように。あなたを祝福する人をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。地上の氏族はすべてあなたによって祝福に入る」(2-3節)。この言葉には、アブラムを祝福しようとする神様の強い意志が感じられるのです。アブラムは神様の言葉に従って旅立ちました(4節)。私たちも神様からの呼びかけを感じる時に、その呼びかけに従っていきたいと思います