2021年3月28日「主の御名を呼ぼう」

○金 南錫牧師 創世記4章17-26節

   弟アベルを殺したカインの子孫の中、「レメク」という人がいて、この人は「二人の妻をめとった」とわざわざ書いてあります(19)。これは男と女が対等に向き合って、互いに助け合う存在ではもはやないということを意味しています。こうやってレメクは、対等に向き合う隣人を失いました。そして、自分の妻たちに「わが声を聞け、わが言葉に耳を傾けよ。わたしは傷の報いに男を殺し、打ち傷の報いに若者を殺す」と言っています(23)。レメクは自分が傷を受けたら、相手を殺すと言うのです。それは、傷つけられたことは忘れない、赦さないということになります。

 しかし、アダムとエバの間に新しい子が生まれるのです。カインの子孫とは全く違う「セト」が生まれ、そのセトにも男の子が生まれました。「彼はその子をエノシュと名付けた。主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである」(26)。人間はみんなレメクのように、傷つけられたことは忘れない、相手を赦さない、そういう社会がそこに生まれたのです。だから、主の御名を叫ばないではいられませんでした。私たちにできることは、主の御名を呼び始め、主からの赦しをいただくのです。それによって、私たちは罪赦され、今日からまた、新しい一歩を歩むことができます。