2021年1月24日「天体と生物の創造」

○金 南錫牧師 創世記1章14-25節

 今日の聖書箇所は、天地創造の第四日目に天体を創造し、五日目に植物以外の生き物を創造されたところです。16節に「二つの大きな光る物」とありますが、これは太陽と月のことを指しています。古代の人たちは、太陽や月などは信仰の対象でもありました。しかし、聖書を書いたイスラエルの民は、太陽や月などは人間を含むあらゆる命あるもののために必要なものだと考えていたのです。このことは、彼らの信仰の素晴らしさを語っています。つまり、太陽や月星は、拝む信仰の対象ではなく、この地を照らす役割を持つ神が造った被造物の一つに過ぎないという信仰がありました。

 なお、彼らは、太陽や月星の天体が創造される目的は、「昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるし」となったと考えていました(14節)。人間はこの神が創造された太陽や月星を見上げることから、時間を認識されるようになりました。動物は太陽や月星を見ても、目に映ったものを見るだけでありますが、人間はそれらを考察して、「昨日、今日、明日」そして、「春夏秋冬」のような季節の移り変わりがあって、それが一年、二年となり、自分の人生と結びつけたのです。詩編90編に「人生はため息のように消えうせます。人生の年月は七十年程のものです。健やかな人が八十年を数えても得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。」とありますように、神によって太陽や月星の天体が創造されることによって、人間ははじめて「日」を数え、「季節」を数え、「年」を数えることができるようになったのです。

 神様は、第四日までの創造で、地上には植物が生長し(12,13節)、大空には太陽や月星が輝いて、生き物が生きる生活空間を備えられました。そして、いよいよここで住む鳥や魚など生き物の創造が開始されるのです。また、神様はそれらのものを祝福して言われました。「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。」(22節)神様は鳥と魚にさえも、祝福してくださいました。この祝福を通して、私たち人間にも大きな祝福が及んでいることを深く心に留めたいと思います。

 最後の24節、25節には地上の動物の創造が書いてあります。ここでは、地上の動物を三種類に分けて、「家畜、這うもの、地の獣」が創造されています。これで人間を除くすべての生き物が創造されることとなります。

 神様は海に魚を、空に鳥を、地に家畜や這うもの、獣を創造し、「産めよ、増えよ、満ちよ」と祝福されました。すべての生き物は、神が「良しとされた」掛け替えのない神の作品です。神様が私たちに生物と共に生きる豊かな世界を備えてくださいました。それは、すべての生き物と共に神の祝福を与る者として、共存共栄の責任を委ねられたことです。ですから、私たちは神様が創造し、育んでくださったこの被造世界に対して、愛と配慮をもつ謙虚な歩みをしながら、この自然環境を大切にしていきたいと祈り願います。