2021年5月2日「御心に留めて」

○金 南錫牧師 創世記7章17-8章5節

 「洪水は四十日間地上を覆った。水は次第に増して箱舟を押し上げ、箱舟は大地を離れて浮かんだ」(17節) 。洪水は次第にすべてのものを飲み込んでいきます。その中で、ノアの箱舟は、洪水の水があふれればあふれるほど、より高く浮かびます。

  8章1節に「神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた」とあります。この箱舟には、行く先というものがなく、ただ大水の中に漂っているだけでした。しかし、神様はこの洪水の中に、ノアとその箱舟にいたすべてのものを「御心に留めて」いてくださいました。そして、「百五十日の後には水が減って、第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった」とあります(3、4節)。次第に水はひいて、ノアの箱舟はアララト山の頂に止まりました。ノアは何もできませんでした。ただ彼は、洪水の中で、この箱舟を御心に留めてくださる方がいるということを信じて、箱舟の中に踏み止まっただけです。そして、気がついたら、箱舟はアララト山の頂に着いていたのです。信仰生活も同様です。試練の中で、私たちを見守ってくださる方がいるということを信じて、また、信じるから待つのです。そして、あるとき気がつけば、今まで見たことがない高い世界に引き上げられている。これが私たちの信仰生活ではないでしょうか。