2021年10月10日「最大の試練」

○金 南錫牧師  創世記22章1-24節

 神様がアブラハムに与えた試練は、愛する独り子イサクを「焼き尽くす献げ物としてささげなさい」という神の命令でした。長い間神から約束されて与えられた子どもなのになぜと、アブラハムの中に葛藤や疑問があったはずです。しかし、アブラハムは「次の朝早く」イサクと共に神の命じられた所、モリヤの地に向かって行きました。その時、イサクは「わたしのお父さん、火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか」と尋ねます(7節)。イサクの質問は、アブラハムの胸をえぐるような問いでした。しかし、アブラハムの行動は最後まで揺らぎませんでした。

 神が命じられた場所に着くと、アブラハムはイサクを縛って祭壇の薪の上に載せ、刃物を取って息子イサクを殺そうとしました。その時、主の御使いが「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった」と言って、そこに雄羊を備えてくださったのです。アブラハムにとって、「ヤーウェ・イルエ、神は備えられる」この恵みを生涯忘れなかったのでしょう。