2020年8月2日「ナルドの香油」

○金 南錫牧師 マルコによる福音書14章1-9節

 過越祭と除酵祭の二日前になった時でした。祭司長たちや律法学者たちは、なんとか計略を用いてイエス様を捕らえて殺そうと考えていたのです。
 ところが、彼らは「民衆が騒ぎだすといけないから、祭りの間はやめておこうと言っていた」とあります(2節)。なぜでしょうか。それは、イエス様がこれまで様々な奇跡を行い、語る御言葉が力強く、民衆の心を捉えていたからです。
 そして、人がたくさん集まる祭りの時に、イエス様を捕らえようとすると、騒乱の事態になるだろうと、彼らは考えたのです。だから、祭りの間はやめようとしたのです。
 今日の聖書箇所は、この祭司長たちや律法学者たちに対比するように、3節からの出来事を記しています。この出来事は、「イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家にいて、食事の席に着いておられたとき」のことでした。
 そこに一人の女性が、非常に高価なナルドの香油が入った石膏の壺を持って来たのです。そして、それを壊し、その香油すべてをイエス様の頭に注ぎかけたのです(3節)。人々はその光景を見て、なんという無駄なことをしているのかと、彼女を厳しくとがめたのです。
 しかし、イエス様はこの女性の行為に対して、こう言われました。「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。…この人はできる限りの良いことをした」(6-8節)。
 では、私たちはイエス様に対して、どのようにかかわっているでしょうか。ナルドの香油は、私たち一人一人にも与えられているのです。私たちのささやかな奉仕であっても、感謝と献身の思いをもって、捧げる時に、主が共にいて、励ましてくださるのです。
 このことを覚え、最後までその信仰の道を全うしていくことができますように、祈ります。