2020年6月28日「終末のしるし」

○金 南錫牧師 マルコによる福音書13章1-13節
 今日の箇所の始めに、イエス様がエルサレム神殿の崩壊を預言していますが(1-2節)、実際、紀元70年にはローマ軍によってエルサレムは陥落し、神殿は破壊されました。
 マルコによる福音書は紀元70年より少し前に書かれたと言われています。つまり、70年にエルサレム神殿がローマ軍によって破壊され、それによって終末が来ると信じられていたときに書かれたのです。
 すると、このマルコによる福音書において、福音とは、苦難に遭わないことではなく、終末が切迫して、全てが失われてゆこうとしている中で、何が本当に私たちを助け得るのかということになります。
 イエス様は10節で「しかし、まず、福音があらゆる民に宣べ伝えられねばならない」と言われました。それは福音にこそ確かなものがあるということです。そして、その福音はほかではなく、キリストの十字架の出来事を指します。ですから、あのイエス・キリストの十字架にこそ終わりの日になお残る確かなものがあるというわけです。
 ですから、マルコによる福音書はこの十字架のキリストの許に来て、このキリストにつながり、そこにとどまりなさいと、語っているのです。