2020年9月20日「亜麻布の信仰」

○金 南錫牧師 マルコによる福音書14章51-52節

 一人の若者が身にまとっていた亜麻布を捨てて、裸のままで逃げてしまいました。教会の歴史の中で、この若者は、今日の「マルコによる福音書」を書いたマルコではないかと言われてきました。
 マルコの母マリアは、イエス様が十字架に架かられる前から、イエス様に従っていた女性の弟子の一人で、信仰深く、教会のために自宅を惜しみなく開放していた人物でした。ですから、マルコは、この母の影響でクリスチャンになったのではないか、そして彼の信仰の歩みもまた母マリアの祈りに支えられていたと思われます。
 マルコが、「素肌に亜麻布をまとってイエスについて来ていた」とあります(51節)。
 当時、布を巻き付けるような服装でもあったので、マルコは亜麻布を巻き付けるような姿でイエス様の後をついていったのです。
 しかし、ある程度、イエス様の後をついていったのですが、「人々が捕らえようとすると、亜麻布を捨てて裸で逃げてしまった」のです(52節)。
 この亜麻布を信仰と重ねて考えますと、マルコの信仰は、亜麻布をまとうような信仰でした。そして、試練に会ったとき、それを脱ぎ捨てて逃げてしまったのです。
 私たちの信仰は、服装のように着たり脱いだりするものではありません。ある程度従ってやめるのではなく、最後まで主イエスに従っていくこと。それが、本当の信仰ではないでしょうか。